神話にも登場する歴史ある神社〜大神神社〜
大神神社(おおみわじんじゃ)には神社で重要な本殿がなく、背後にある「三輪山(別名、みむろやま)」そのものをご神体とし、神聖視する日本古来からの神道の形を残しています。
正式な神社名は「大神神社」ですが、
地元の方に「みわさん」「三輪の明神さん」の名で親しまれています。
神話にも登場し、日本最古の神社といわれる、歴史ある神社です。
▲大神神社の二の鳥居前
二の鳥居をくぐると、うっそうと木々が茂っており、神聖な清々しい空気に包まれます。
拝殿までの長い参道を歩くことで心身が浄化されていくようです。
私は「朔日参り」で毎月一日に大神神社に参拝します。
どうやら毎月一日にお参りしないと落ち着かないという人も多く、0時頃から賑わい、この日は夜中まで多くの人が参拝するそうです。
毎月一日には、ご神木である「お杉」(一本200円)を数量限定で授与されており、早ければ午前で無くなってしまうほどの人気です。
▲拝殿横のテントで授与されている
また、自動車お祓所(二の鳥居向かって右)では、毎月1日限定で「ついたち朝市」が催されています。地元の野菜、お花、屋台がたくさん並ぶ朝市が人気で「朔日参り」の楽しみの一つです。
御祭神【大物主大神】
御祭神は国造りの神様として大物主大神(おおものぬしのおおかみ)を主神とし、
大己貴神(おおなむちのかみ)と少彦名神(すくなひこなのかみ)をあわせて祀っています。
主神の「大物主大神」は、
出雲大社に祀っている国造りの神様「大国主神」の別の御魂(みたま)として姿を現し、三輪山に鎮まり、祀られました。
大物主大神とは、
【大いなる物の主】すべての精霊(もの)をつかさどる神様という意味です。
国造りの神様として、産業、 方除(ほうよけ)、治病、造酒、製薬、交通など、人間の生活全般の守護神として信仰され、厚く敬われています。
全国でも珍しい「三ツ鳥居」
三輪山と拝殿の間には鳥居があり、3つの鳥居を組み合わせた形から
「三ツ鳥居」といわれています。(大神神社では禁足地のため実際には見れません)
鳥居といえば普通、柱と柱の間を自由にを通り抜けできるものを想像しますが、
これは中央に扉のようなものがあり、これが神門の役割を担っています。
この三ツ鳥居を通して、ご神体の三輪山を拝んできました。それゆえ、本殿の替わるものとして神聖視されています。
全国的にも珍しい形式の鳥居です。
▲摂社、桧原神社(ひばらじんじゃ、元伊勢)の三ツ鳥居
大物主の化身の白蛇と神杉
「大物主大神」は水神・雷神の性質をもつ蛇神ともされており、「巳(みい)さん」と親しまれ呼ばれています。
拝殿の前には大物主大神の化身の「白蛇」が棲むといわれる、大きなご神木の「巳の神杉」があります。
▲拝殿前にある巳の神杉(樹齢/推定350年以上)
「巳の神杉」の前には、巳さんの好物とされる卵と酒をお供えする参拝者もいます。
また、江戸時代には「雨降杉」と呼ばれ、人々が雨乞いのために祈ったそうです。
私も参拝したとき、お天気雨が突然降ってくるという不思議な経験をし、見えない神様を感じた瞬間でした。
夢のお告げ、酒づくりの始まり
古来、国が疫病の流行により混乱したところ大物主大神様から、
《私の子孫を祭主にして酒をつくり、奉納するように》
と夢でお告げをうけて、お酒を醸したのが、ここ三輪の地でした。
「お酒と醸造の神」として現代まで信仰されており、毎年11月には全国の酒造家や杜氏が参列し、新酒の醸造安全を祈る「酒まつり」が行われております。
神酒のことを「ミキ」と読みますが、昔は「ミワ」と読まれておりました。
また、古来の人々は神様のことを「ミワ」と呼んでいたそうです。
「神酒=ミワ=神」となるように、「酒、三輪、神様」は深い関係であることが伺えますね。
奈良は日本酒の発祥だけあって、本当に日本酒が美味しいです!!
奈良の日本酒に出会ってから私は日本酒好きになりました(笑)
大神神社の摂社「狭井神社」
大神神社から続く「くすり道」を5分ほど進むと摂社の「狭井神社(さいじんじゃ)」があります。
薬にまつわる神様でもあり、病気平癒や疫病除けを祈願する神社になります。
大きな神社ではありませんが、ここには三輪山から湧き出る薬井戸があり、
ご神水をくむことができます。また、三輪山の登拝口もありますので興味がある方はぜひ!
▲清浄の音が聞こえる水琴窟
薬井戸の近くにはご神水を使った「水琴窟(すいきんくつ)」もあり、竹筒に耳を当てると、水が落ちる美しい音が響いてきます。
この音を聞いてると、心も落ち着き、なぜだか癒されます。
朔日参りの時、私は狭井神社に必ず寄ってご神水を買って帰ります。
まろやかな口当たりで、ゴクゴク飲める美味しいお水です。
御神体「三輪山」登拝の注意事項と基本情報
▲三輪山の登拝口になります。
大神神社の御神体として「三輪山」は、古来より神様が鎮まる神聖な禁足の山として入山が厳しく制限されてきましたが、
現代では、多くの人たちの要望により特別に入山が許可されるようになりました。
しかし、目的はあくまで参拝になりますので、観光や一般の登山・ハイキングとは異なることに十分留意し、神聖な山であることをふまえ、敬虔な心で入山しましょう!
私は初めて登って下山するまで3時間ほどかかりました。
初めて登拝する場合、時間は余裕をみておくと良いです。
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▷入山初穂料は一人300円
▷入山受付は9時~正午まで。
※コロナの影響で受付時間が短縮、変更される場合があります。
※正月三日間と祭典日、悪天候の日の場合は登拝できません。
●まず社務所で【住所氏名・電話番号】を申し出て
三輪山登拝証となる襷(たすき)を受け取り、それを肩にかけて登拝します
●山内は、カメラの持ち込み・撮影などは禁止されています
●山内は、タバコを含めて火気厳禁。水分補給以外の飲食禁止。
草木などの採取も禁止されています。
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社務所の脇には、コインロッカーが設置してありますので、
カメラなどの荷物を預けてから登ると良いでしょう。
また、山中にはトイレなどはありませんので必ず済ませてから登ることをおすすめいたします。
三輪山のご神氣をダイレクトに感じてみたい方は、ぜひ、一度は登ってみてください。
名称 | 大神神社(おおみわじんじゃ) |
所在地 |
〒633-8538 奈良県桜井市三輪1422 |
アクセス |
JR「三輪駅」から徒歩5分 |
連絡先 |
TEL 0744-42-6633 FAX 0744-42-0381 |
御祭神 |
大物主大神、大己貴神、少彦名神 |
創建 |
不明とされる(古事記、日本書紀に登場する日本最古の神社) |
文・写真/供TOMOライター 菊入みさ
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大神神社、いかがでしたか?
日本史の授業で「日本最古の神社」として自然信仰の対象(ご神体が山である)ということを習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。
いつかはお詣りしてみたい神社・・・あなたにもいくつかあるのでは?
来るそのチャンスに、米や酒、農産物、お菓子など・・・いつものお賽銭だけでなく、ご自身が気に入っているとっておきのものを神様へのお供えとして持参してみてはいかがでしょうか。
カフェ玄神(焙煎有機玄米コーヒー)、Isehikari rice、七福神和三盆など、供TOMOの商品にはお供えに適したものがありますので、ぜひチェックしてみてください。