「神様に呼ばれないと行けない神社」ともいわれる玉置神社は、奈良県十津川村にある霊峰玉置山(たまきさん)の頂上近くにあります。
2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録され、全国から参拝者が訪れる神秘的なパワースポットです。
山の上にある玉置神社
▲玉置神社の駐車場から見える山並み
標高約1,000m付近にある玉置神社へ行くには、険しい道が続きます。大阪・和歌山・三重のそれぞれからアクセスできるのですが、玉置山近辺になると昔ながらのくねくねとした山道になり、対向車とすれ違うのもやっとの横幅です。冬には雪が積もり、他の季節には山道が崩落して通行止めになっていることも多々あります。
それでもどうしても行きたくなる玉置神社。ここは紀伊山地の尾根に走る修験者の道「大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)」の山中なのです。
玉置神社の御本殿と玉石社
▲玉置神社の御本殿
玉置神社のはじまりは神武天皇が東征で熊野から大和に向かうときに、八咫烏(やたがらす)の案内で「十種神宝(とくさのかんだから)」を奉納して安全を祈願したことからと伝わっています。
そののち紀元前37年、崇神天皇(すじんてんのう)の時代に、天下安泰と悪魔退散を祈願して社殿が創建されました。主祭神は天地開闢(てんちかいびゃく)の神様、国常立尊(くにとこたちのみこと)です。
平安時代には熊野三山の奥の宮と呼ばれ、霊場として栄えました。
▲末社の玉石社(たまいししゃ)
玉石社に社殿はなく、三本の大杉に囲まれるようにしてご神体の玉石が鎮座しています。神武東征より以前からあった、磐座(いわくら)信仰の形が今もなお受け継がれているのです。
その昔、修験道の開祖「役小角(えんのおづぬ)」や「空海」が、この玉石社に霊験のある珠を埋めたと伝えられ、「玉」を鎮めて「置いた」ことが神社の名前の由来とも言われています。
初めて行かれる方は玉石社の場所が分かりづらいかもしれません。(私はかなり迷ってしまいました!)社務所の前を通り過ぎて、摂社「三柱神社」の奥に山頂へと向かう道があり、その中腹に玉石社がありますよ。
大峯修験道(おおみねしゅげんどう)においては玉石社を聖地とし、御本殿より先に参拝する習わしだったそうです。今でも駐車場から先に玉置山頂へ向かい⇒玉石社⇒御本殿の順番でお参りされている方を見かけました。
※最初に山頂へ向かいたい場合は駐車場から見えている鳥居をくぐらずに、車で来た道を30mほど戻ったところに「山頂への入り口」があります。
玉置神社は「令和の大改修」の最中です
玉置神社は令和2年より令和10年まで「令和の大改修」を行っています。御本殿や社務所、三柱神社は約200年前に建てられたんだそうです。御本殿の隣に鎮座する「神武社」「若宮社」が葺き直され、真新しい銅板の屋根が光っていました。
悪魔退散を祈願して護符を買いました
▲玄関に貼るタイプの護符(500円)
創建にもあったように、玉置神社は全国的にも珍しく悪魔退散のご利益があります。神社には「熊野なる玉置の宮の弓神楽(ゆみかぐら) 弦之音すれば悪魔退く」というご神歌が伝わっています。
社務所に立ち寄ると、悪魔祓いの護符を見つけたので購入しました。こちらの文字は空海の書だとのことです。よく見ると「玉置宮」と並んで大日如来(だいにちにょらい)の「金剛界、胎蔵界」を表す一文字が記されています。
▲境内に祀られている大日堂社
御本殿のすぐ近くに大日堂社があって、毎年8月8日には修験道が集まり護摩焚き(ごまたき)などの大祭が執り行われています。
ちなみに護符は玄関(外)、もしくは玄関から入った真正面(室内)に貼るといいそうです。「家族が出入りするのは、ほとんど勝手口を使っているのですが……。」と質問したところ、その場合でも玄関に貼るといいと、神職さんに教えてもらいました。
他にも財布などに入れておけるカードタイプが、木製(1,000円)と紙製(500円)の2種類ありました。
何度も訪れたくなる玉置神社
3万平方メートルもの玉置神社の境内には、樹齢3000年といわれる神代杉(じんだいすぎ)や大杉(おおすぎ)など、樹齢1000年以上の巨大な杉が立ち並んでいます。山深い境内を歩いていると、古代からずっと神様に見守られてきた聖地という神聖な感覚がして、何度訪れても再び行きたくなる素敵な神社です。
玉置神社の基本情報
名称 | 玉置神社(たまきじんじゃ) |
所在地 | 〒647-1582 奈良県吉野郡十津川村玉置川1番地 |
御祭神 | 国常立尊(くにとこたちのみこと) 伊弉諾尊(いざなぎのみこと) 伊弉冊尊(いざなみのみこと) 天照大御神(あまてらすおおみかみ) 神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと のちの神武天皇) |
公式ページ | http://www.tamakijinja.or.jp/ |
文・写真/供TOMOチーム 山崎和子
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