こんにちは、供TOMOチーム、ライターの山崎和子です!
今回は、弘法大師空海を高野山へと導いた神様が鎮まる、丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)をご紹介します。
全国の丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)を祀る神社の総本社であり、世界遺産にも登録されている、清々しくて威風堂々とした神社ですよ。
丹生都比売大神と空海の出会い
今から1200年ほど昔のことです。弘法大師空海が唐の国から帰ってきて40歳を過ぎた頃、真言密教の教えを広めるため、根本道場の地を探し求めていました。
各地を渡り歩いていたとき、黒と白の2匹の犬を連れた猟師に出会います。猟師は「あなたが探している場所は、紀伊の山中にある」と教えてくれ、2匹の犬を案内役につけてくれました。
ある山の麓までくると丹生都比売大神が姿を現し、広大な土地を譲ってくれることになります。それが真言密教の聖地となる高野山です。
実はあの時の猟師は、丹生都比売大神の御子であられる高野御子大神(たかのみこのおおかみ)だったと分かり、空海は二柱の神様に感謝し高野山の守護神としてお祀りしました。
丹生都比売神社の御祭神とごりやく
第一殿の丹生都比売大神は、別名ワカヒルメノミコトと呼ばれ、伊勢神宮に祀られる天照大御神の妹神様です。
今から1700年よりも前に高野御子大神と一緒に紀州や大和の人々に農耕を広め、最終的に紀伊山地にある天野(あまの)の地に鎮座されました。
諸々の災いをはらいのけて、すべてのものを守り育ててくれるごりやくがあります。
第二殿の高野御子大神(たかのみこのおおかみ)は、空海を高野山に導いたことから、人生の幸福へ導いてくれる神様。
第三殿の大食都比売大神(おおげつひめのおおかみ)は、あらゆる食べ物に関する守り神様。
第四殿には財運と芸能をつかさどり、七福神の弁天様であられる市杵島比売大神(いちきしまひめのおおかみ)が祀られています。
大きくて美しい楼門(ろうもん)の前から参拝しますよ。重要文化財に指定されており、室町時代に建立された立派な楼門に、心が清らかになっていきます。
淀君に寄進された美しい輪橋
車で丹生都比売神社に向かっていると、まず最初に第二駐車場が目に入り、さらに奥に進んだところに第一駐車場があります。
第二駐車場がかなり広々としていて停めやすく思えますが、ぜひ外鳥居のすぐ近くとなる第一駐車場に停めましょう!
真言密教と関わりが深く、神仏習合(しんぶつしゅうごう)の名残りを示す「両部鳥居(りょうぶとりい)」をくぐると、目の前には神様がお渡りになる輪橋があります。
慶長年間に淀君の寄進で建立された輪橋は、とても美しい半円を描いています。
参拝者も渡ることができますが、この辺りは山深く凍結するために冬季期間は閉鎖されていますよ。
世界遺産と受け継がれていく神仏習合の精神
2004年、丹生都比売神社は「紀伊山地の霊場と参詣道」として、高野山・熊野・吉野の地域とともに世界遺産に登録されました。
空海が高野山を開山してから、真っ先に整備したのが壇上伽藍(だんじょうがらん)です。その場所には地主神として勧請した丹生都比売大神と高野御子大神を祀った御社(みやしろ)があります。
平安時代から高野山に詣でるには、まず最初に丹生都比売神社へ参拝してから向かうのが習わしでした。
また江戸末期までは高野山の僧侶が舞楽曼荼羅供(ぶがくまんだらく)の法会を神々の前でお供えしました。
神々に守られてこそ、仏の教えを広めていけるという空海の思想は、日本独自の「神仏習合」の在り方を照らし、その後の日本人の精神となっていったといえます。
そして日本古来の神道とインドから伝わってきた仏教がこの地で融合したこと、現在まで1200年間もなお続いていること、それらの文化的景観が見事に残っていることをあげ、世界にも類のないことだとユネスコに評価されました。
私はこの「神と仏と自然が共存する精神」をとても優しく温かく感じ、本来の姿なんだろうなあと受け入れるとともに、日本人で良かったと再認識するのです。
丹生都比売神社の基本情報
名称 | 丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ) |
所在地 | 〒649-7141 和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野230 |
御祭神 |
【第一殿】丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ、ワカヒルメノミコト) 【第二殿】高野御子大神(たかのみこのおおかみ) 【第三殿】大食都比売大神(おおげつひめのおおかみ) 【第四殿】市杵島比売大神(いちきしまひめのおおかみ) |
公式ページ |
文・写真/供TOMOチーム 山崎和子
--------------------------------------------------------------------------------------------
丹生都比売神社では、6月30日(水)午後4時より、恒例の「大祓式(おおはらえしき)-夏越の祓(なごしのはらえ)」が古式により斎行されます。
「夏越の祓」とは、「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶといふなり」と古くから伝えられ、暑さに負けず元気に夏を越せるように、また延命長寿を祈るものです。
その際、この半年の間に私たちが知らず識らずのうちにおかした罪穢れを移した「大祓人形(おおはらえひとがた)」を祓い清めます。
また、茅の輪をくぐることによって疫病神を退け、無病息災、疫病退散、延命長寿を祈ります。
夏越の祓は全国の各神社で執り行われますが、そんなとき、神社にお米やお酒を奉納してみませんか?
供TOMOには奉納品として持ち運びも便利な、伊勢神宮ゆかりの「Isehikari rice」がございます。パワースポットとして人気の高い、静岡県熱海市の来宮神社でも、このIsehikari riceが神饌、授与品として採用されています。
よろしければ、ぜひご利用ください。5個セット、10個セットもございます。
その他、神饌・授与品コレクションに、奉納品に適した商品も紹介していますので、そちらもご覧ください。