ごあいさつとはじめに
はじめまして。奈良在住の半農半フリーライター、菊入みさと申します。
生まれは新潟ですが、古都、奈良に住み始めてから「神社」の魅力に取り憑かれた私…。心の赴くまま、たくさんの神社に足を運ぶようになりました。
ここで「神社」をより楽しむための豆知識や魅力を少しずつ綴っていこうと思います。読み終わった後、もっと神社や神道を身近に感じてもらえたら幸いです。
気が塞ぐようなことがあったり、何か行き詰まった時、私は神社に参拝します。
境内に足を踏み入れると不思議と心が静まり、改めて現実に向き合おうという気持ちがわいてくるのです。
日本の国に古くから伝わるひとつの「信仰」であり、私たちの「文化」の中にも深く根付いているのが、神社という場所が受け継いだ【神道】です。
しかし、その中身については、案外よく知らずに過ごしている方が多いのではないでしょうか?かく言う私もその一人でした。
なんとなく、「とても大事な場所」という認識なのですが神社がどのような存在で私たちとどのような関係性を持っているのか?
そもそも【神道】とは?
◆神道のはじまり〜自然の中に神々が宿る
(写真:和歌山の神倉神社の磐座)
古の時代より、日本は山や川、海などの自然を畏れ、自らの祖先を敬ってきました。こうした自然との調和を大切にする自然信仰や祖先崇拝が融合し、おのずと形づくられてきました。
従って、どの時点から成立したなど、起源を明確に特定できませんが、その歴史は非常に古く、縄文時代から始まったと考えられています。
◆不思議な神道
現在の主要な宗教のほとんどは次の3要素を備えています。
・開祖
・経典
・教義(戒律のようなもの)
しかし、一方で「神道」には世界宗教に見られる厳格な教えや縛り、経典もなく、開祖もいません。古事記、日本書紀に代表される歴史書はありますが、聖書のような教義が記載されているものはありません。
いにしえの時代より、暮らしの中で、祖先、自然、農業に使われる道具、米粒の中にまで、あらゆるものに神様が宿っているという「八百万の神」の考えが受け入れられ、徐々に祭祀や神様を祀る場がつくられるようになったといわれています。
この八百万の神々の中には、この世の全ての神様も含まれます。(仏教、キリスト教やイスラム教など)
多神教というものは日本以外にもありますが、別の宗教の神様も’’神々’’の一部とするあり方は、世界的に見ても非常に珍しいのです。
こういった、他者を排斥したりしない寛容性があったからこそ、時代に合わせて現代まで変化して残ってきたのかもしれません。
祖先、自然や見えないものから霊性を感じ、感謝し、大切にする。
この寛容性と八百万の神々という考え方が、曖昧だけど’’懐の深さ’’を感じ、私はとても好きです。
◆神道と仏教は何が違う?
神道は日本が起源の自然信仰であり、神社の入口にはたいていの場合、鳥居があります。神様の世界と人が住む世界とを区別されています。
仏教は中国・インドといった外国から伝わってきたとされる外来の宗教とされ、お坊さん・尼さんなどの仏教を信仰する修行者がいますし、主に仏様の像が置かれています。
現在では、神道と仏教は別のものとみなされていますが、神仏習合を残した寺社も今も多数あります。
(写真:春日大社とともに神仏習合の歴史を歩んできた興福寺)
年末年始に寺院でも巫女さんが奉仕していたり、本来は寺院で祀られる不動明王を「祭神」として祀っている神社もあります。
このように、歴史上、神道は仏教とともにお互い影響を及ぼしあいながら、日本に深く浸透していったのだとわかります。
文・写真/供TOMOライター 菊入みさ
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★前編いかがでしたか?後編はまもなくアップします。
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