神様とつながる【祝詞(のりと)】のはなし

神様とつながる【祝詞(のりと)】のはなし

和婚、お宮参り、七五三、厄払いなど人生の節目のどこかでみなさん一度は神主さんの祝詞を耳にしたことがあるのではないでしょうか。今回は祝詞について取り上げてみたいと思います。


神主さんが祝詞を唱えているのを「ありがたいお経をあげている」と誤解されている方がたまにいますが、祝詞とお経は内容も目的も全く違うものです。

 

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また、祝詞は神主さんだけの専売特許ではありません。

誰でも心を込めて唱えれば言霊(ことだま)の力で神様とつながることが可能だと考えられています。

神社本庁ではいくつかの祝詞をまとめた「神拝詞(しんぱいし)」を発行したり、最近では、普及のために一般の人向けの祝詞の本もたくさん発売されています。

この記事を読んだ後、少しでも祝詞に関心を持ったり、身近に感じてもらえたら幸いです。

 

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祝詞とお経の違い

 

まずお経ですが、これは開祖のお釈迦様の教えを記録したもの、経典になります。お経を読む目的は「お釈迦様の教えをもう一度学び直し、改めてお経の功徳やご利益を頂いて、感謝をする」ということです。


これに対して祝詞は「人から神様への奏上(そうじょう)の言葉」もしくは「神様が集まった人々に聞かせる言葉」のことをいいます。それは神様に対して失礼のないように最も丁寧な言葉や尊敬した言葉を使い、気持ちをあらわす言葉の捧げものになります。

 

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日本では古くから言葉には霊性が宿ると信じられており、この言葉に宿る霊性のことを「言霊」と呼び、口に出すことでその霊力が発揮されると考えられおり、不用意に用いると「悪しきこと」を引き起こすと信じられ、恐れられていました。 

 

祝詞の起源

 

さて、この祝詞はいつから生まれたのか?

祝詞の起源は古く、天岩戸(あまのいわと)神話で天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に身を隠した際に気を引こうと天児屋命(あめのこやねのみこと)が祝詞を奏上したことが始まりとされています。

 

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▲写真は天児屋命が祀られている春日大社

 

祝詞を奏上する理由

 

なぜ祝詞を奏上すると良いのかポイントをまとめてみました。 

●神様との対話、気持ちを伝えること

 

日本には古くから

・行動(身)

・言葉(口)

・気持ち(意)

この全てをつかって神様に「捧げもの」をすることが大切だと考えられてきました。

 

神様への「気持ち」、「言葉」の捧げもの、「行動」の捧げものが「祝詞」になります。

 

神様への思いを考えているだけでは伝わらないと「気持ち」が生まれ、祝詞をあげる「行動」がうながされて祝詞として「言葉」を捧げます。そうすることで神様の威力が増し、私たちに恩恵が注がれると考えられています。

 

ちゃんと言葉にしないと伝わらないというのは人も神様も同じということです。

 

●祝詞には罪や穢れを祓う力があるということ。

 

私たちは日常でいろいろな感情を体験します。

 

自分にとって心地よい感情【好き、嬉しい、楽しい】もあれば

心地が悪い感情【嫌い、悲しい、怒り】もありますが、

心地悪い感情がたまっていくと、見えない気が滞り不要なエネルギーがたまっていきます。

 

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祓いには

・水の祓い

・火の祓い

・香りの祓いなど

他にもさまざまな祓いがありますが、祝詞はその中でも、音(言霊)の祓い。

つまり、祝詞を奏上することで不要なエネルギーを祓い、クリアになっていくと本来の自分が現れてきます。祝詞には本来の自分の姿を取り戻していくはたらきもあると考えられているのです。

 

●祝詞を読むことで神様の理解がより深まるため。

 

祝詞には「古事記」の内容が凝縮されています。

祝詞を奏上していくと「古事記」の理解が深まりますし、また逆に古事記を読んで神話を学ぶことで、祝詞の意味が腑に落ちるのです。

知識と実践(体感)が大事になります。

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代表的な祝詞を紹介します。

 

祝詞にはさまざまな種類があります。ここでいくつか代表的なものを紹介いたします。

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・祓詞(はらえことば)

神社でお供えするとき、神事などで一番最初に奏上される祝詞。

 

・大祓詞(おおはらえのことば)

神社で年に2回(6月末、12月末)奏上される祝詞。

自分の中にたまっていた半年間の罪や穢れを祓います。

 

・六根清浄(ろっこんしょうじょう)

人間に備わった六根(目、耳、鼻、舌、身、意識)を清浄にする。願望成就の祝詞といわれています。神仏習合が長く続いてきた日本で仏教の影響を受けている祝詞で、仏教、修験道の方にも奏上されています。 

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また、祝詞がむずかしく覚えられないという方にも覚えられる簡単な略拝詞(りゃくはいし)も紹介します。

 「祓(はら)えたまえ、清(きよ)めたまえ、神(かむ)ながら守りたまえ、幸(さきわ)えたまえ」

たったこれだけです。簡単ですよね。

この意味は、「お祓いください。お清めください。神様のお力によりお守りください。幸せを与えてください。」という意味になります。 

時間に余裕がないときは簡略して「祓え給え、清め給え」だけでも良いので、参拝の時やお家の神棚に拝むときに実際に唱えて自分の気持ちを伝えてみましょう。

 

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身口意(しんくい)で「宣る(のる)」ということ

 

「祈り」の語源というのは意(い)を宣(の)ることであり、宣(の)るは「宣言すると」いうことです。

 ついつい「困ったときの神頼み」で参拝のとき、一方的に頼みごとをしてしまう方がほとんどだと思います。

 「頼みごと」を叶えてもらうための参拝よりも 目的を達成するため、宣言して行動に移し、

 「足りないところがあればサポートしてください」

 と伝える参拝の方が神様も応援してくれるような気がします。

 

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最終的に願いを叶えるのは神様ではなく「自分自身」だと思います。

まずは自宅の神棚や神社で略拝詞を唱えてみてはいかがでしょうか。

「身(行動)・口(言葉)・意(心)」を意識することが願いを現実化する秘訣なのかもしれません。

 

文・写真/供TOMOライター 菊入みさ

 

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★文中に出てきた奈良・春日大社の紹介記事はこちらです。

★神社にお詣りするとき、最近は拝殿のところに略拝詞(りゃくはいし)の小さな看板を見つけることがあります。 

「祓(はら)えたまえ、清(きよ)めたまえ、神(かむ)ながら守りたまえ、幸(さきわ)えたまえ」

ぜひ略拝詞を覚えて、参拝のときに唱えてみましょう。

★また、神社にお詣りする際に「お賽銭」を入れると思いますが、神様へのお供えは、もともとお米やお酒、農産物などの「神饌」がもととなっています。お賽銭とともに、神社にお米やお酒を奉納されてみてはいかがでしょうか。

供TOMOのショッピングサイトには、神社への奉納品に適した「カフェ玄神」や「Isehikari rice」「七福神和三盆」などがあります。 

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2 comments

かしこ)き
この声はとても響きました。たまえと言う言霊はとても響きました。

祝詞覚えてみます!分かりやすい説明ありがとうございます。

ᵕ̈

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